1) 法令(危険物の種類・指定数量・施設)
1-1 危険物とは(消防法上の定義)
- 危険物取扱者が学ぶ「危険物」=消防法上の危険物
- 消防法の目的:火災予防/火災鎮圧/予防/警戒/鎮圧
- 消防法の中の 「別表第1」 に載っている物質が危険物
危険物(消防法上)の大まかな特徴
- 火災を引き起こす可能性
- 火災が拡大する可能性が大きい
- 消火が困難
注意点(超重要)
- ガスなどの気体は含まれない
- 消防法上の危険物は 固体・液体のみ(プロパンなど可燃性ガスは別枠)
1-2 危険物の分類(第1類〜第6類)
危険物は性質ごとに 6類 に分類(別表第1に記載)
- 第1類:酸化性固体
可燃物を酸化して燃焼・爆発を助長。自体は燃えない(不燃性) - 第2類:可燃性固体
着火しやすい/低温で引火しやすい固体 - 第3類:自然発火性物質・禁水性物質
空気や水との接触で発火/可燃性ガス発生など - 第4類:引火性液体(乙4のメイン)
引火しやすい液体。危険度順にさらに細分類 - 第5類:自己反応性物質
加熱・衝撃で燃焼・爆発。物質内の酸素が“燃焼を助ける側(酸化剤的)”になり得る - 第6類:酸化性液体
可燃物を酸化して燃焼・爆発を助長。自体は燃えない
1-3 指定数量(規制がかかる境界)
- 指定数量:危険物を取り扱い/保管する際に、消防法の規制対象になる数量
- 少量と大量では危険性が違う → 一定量以上は規制が必要
- 指定数量は 分類・種類ごとに違う
- 危険性が高いほど指定数量は小さい(少量でも規制される)
- 指定数量未満:消防法の直接規制外。ただし、少量危険物(原則1/5以上)は市町村条例で規制・届出
倍数計算(頻出)
- 倍数=(貯蔵量・取扱量)÷(指定数量)
- 例:ガソリン400L、指定数量200L → 400÷200=2倍
1-4 危険物施設(製造所等)
危険物は原則、決められた施設で扱う
- 製造所:危険物を製造する施設
- 貯蔵所:危険物を貯蔵・取り扱う施設
- 取扱所:危険物を取り扱う施設
→ この3つの総称が 「製造所等」(ここ用語注意:製造所≠製造所等)
貯蔵所の7種類
- 屋内貯蔵所/屋外貯蔵所/屋内タンク貯蔵所/屋外タンク貯蔵所
- 地下タンク貯蔵所/簡易タンク貯蔵所/移動タンク貯蔵所
取扱所の4種類
- 給油取扱所/販売取扱所/移送取扱所/一般取扱所
1-5 仮貯蔵・仮取扱い(例外措置)
- 臨時的に貯蔵・取扱いを認める 例外措置
- 原則:指定数量以上は製造所等で扱うが、その例外
- 条件:
- 消防長または消防署長の承認を得る
- 10日以内の期間
- 「承認」「10日」はセットで覚える
2) 物理・化学(物質の三態と状態変化)
2-1 物質の三態
- 固体・液体・気体
- 水で例:氷(固)/水(液)/水蒸気(気)
- 状態は相互に状態変化する
2-2 状態変化の名称(超頻出)
固体 ↔ 液体
- 固→液:融解
- 液→固:凝固
- 融解が起こる温度:融点
- 凝固が起こる温度:凝固点
まぎらわしい固体の現象(ここは暗記ゾーン)
- 溶解:固体が液体に溶けて混ざり合う(塩→食塩水)
- 潮解:固体が空気中の水分を吸って溶ける
- 風解:結晶が含む水分を失って崩れ、粉状になる
液体 ↔ 気体
- 液→気:蒸発
- 気→液:凝縮
- 蒸発と沸騰の違い
- 蒸発:液体の表面で起こる
- 沸騰:液体の内部からも蒸発が起こる
- 沸騰が起こる温度:沸点
固体 ↔ 気体
- 固→気/気→固:昇華
- 例:ドライアイス(固体CO₂)
2-3 吸熱・放熱(どっち側に熱が動くか)
- 吸熱:外から熱を吸収する(温めて起こる変化)
- 融解/蒸発/昇華(固→気)
- 放熱:外へ熱を放出する(冷やして起こる変化)
- 凝固/凝縮/昇華(気→固)
2-4 状態変化中は温度が変わらない(グラフの話)
- 例:水
- 氷を温める → 温度上昇
- 0℃で融解が始まると、融解中は0℃のまま
- 全部水になったら温度上昇
- 100℃で沸騰(気化)が始まると、沸騰中は100℃のまま
- 全部水蒸気になったら温度上昇
2-5 沸点と気圧(蒸気圧の考え)
- 山の上は気圧が低い → 沸点が下がる
- 沸騰条件:蒸気圧が外圧(気圧)に到達する
- 気圧が低い → 沸騰しやすい → 低温で沸騰
- 気圧が高い → 沸騰しにくい → 高温で沸騰
3) 性質(第4類:引火性液体の特長)
3-1 第4類の分類(危険度順に細分類)
- 特殊引火物
- 第1石油類
- アルコール類
- 第2石油類
- 第3石油類
- 第4石油類
- 動植物油類
3-2 第4類に共通する性質
- 引火性の液体
- 比重が1より小さく、水に浮くものが多い
- 電気の不良導体 → 静電気が蓄積されやすい
- 蒸気比重が1より大きいものが多い(=蒸気が低い所にたまりやすいイメージに繋がる)
3-3 火災予防のポイント
- 火熱(火気・高温)を避ける
- 静電気を除去
- 可燃性蒸気は低所にたまる → 低所の蒸気を屋外の高所へ排出
- 電気設備は 防爆構造
- 容器を 密栓して貯蔵
3-4 消火方法のポイント
- 窒息消火(酸素を遮る)
- 消火剤:泡/強化液/二酸化炭素/ハロゲン化物/粉末
- 比重1より小さい危険物は水で消火しない(水に浮き、広がりやすいので)
- 水溶性の危険物:耐アルコール泡、水溶性液体用泡を使用
【Q&A】
Q1. 危険物取扱者が学ぶ「危険物」とは?
A. 消防法上の危険物(消防法の別表第1に掲げるもの)。
Q2. 消防法上の危険物に「気体」は含まれる?
A. 含まれない。固体・液体のみ(可燃性ガスは別枠)。
Q3. 消防法の目的(試験で狙われる言い方)は?
A. 火災の予防・警戒・鎮圧(+災害被害の軽減など)。
Q4. 危険物は何類まで?
A. 第1類〜第6類(6種類)。
Q5. 第1類は何?
A. 酸化性固体(燃焼を助長。自体は燃えにくい扱い)。
Q6. 第2類は何?
A. 可燃性固体。
Q7. 第3類は何?
A. 自然発火性物質・禁水性物質(水で反応・発火など)。
Q8. 第4類は何?(乙4の中心)
A. 引火性液体。
Q9. 第5類は何?
A. 自己反応性物質(加熱・衝撃で分解→燃焼/爆発しやすい)。
Q10. 第6類は何?
A. 酸化性液体(燃焼を助長。自体は燃えにくい扱い)。
Q11. 指定数量とは?
A. 危険物を貯蔵・取扱いする際に、消防法の規制対象になる境界の数量。
Q12. 危険性が高いほど指定数量は?
A. 小さくなる(少量でも規制が必要だから)。
Q13. 指定数量未満は消防法の規制を受ける?
A. 原則受けない。ただし多くの自治体で、少量危険物(目安:指定数量の1/5以上〜未満)として市町村条例で規制・届出対象になることがある。
Q14. 倍数の式は?
A. 倍数=(貯蔵量または取扱量)÷(指定数量)。
Q15. 「製造所等」とは何の総称?
A. 製造所・貯蔵所・取扱所の総称(※「製造所」単体とは別)。
Q16. 貯蔵所の7種類は?
A. 屋内貯蔵所/屋外貯蔵所/屋内タンク貯蔵所/屋外タンク貯蔵所/地下タンク貯蔵所/簡易タンク貯蔵所/移動タンク貯蔵所。
Q17. 取扱所の4種類は?
A. 給油取扱所/販売取扱所/移送取扱所/一般取扱所。
Q18. 仮貯蔵・仮取扱いとは?
A. 指定数量以上でも、臨時に貯蔵・取扱いを認める例外措置。
Q19. 仮貯蔵・仮取扱いの条件(頻出2点)は?
A. 消防長または消防署長の承認+10日以内。
Q20. 物質の三態は?
A. 固体・液体・気体。
Q21. 固体→液体は?
A. 融解(起こる温度=融点)。
Q22. 液体→固体は?
A. 凝固(起こる温度=凝固点)。
Q23. 液体→気体は?
A. 蒸発。
Q24. 気体→液体は?
A. 凝縮。
Q25. 固体↔気体は?
A. 昇華(固→気、気→固どちらも)。
Q26. 蒸発と沸騰の違いは?
A. 蒸発:表面だけ/沸騰:液体内部からも気化。
Q27. 吸熱の状態変化3つは?
A. 融解・蒸発・昇華(固→気)。
Q28. 放熱の状態変化3つは?
A. 凝固・凝縮・昇華(気→固)。
Q29. 状態変化中(沸騰中など)に加熱しても温度は?
A. 変化しない(熱は状態変化に使われる)。
Q30. 蒸気圧とは?
A. 液体が気体になって外へ出ようとする圧力。
Q31. 沸騰が起こる条件(正確版)は?
A. 蒸気圧が外圧(気圧)に到達(=等しくなる)したとき。
Q32. 気圧が低いと沸点は?
A. 下がる。
Q33. 気圧が高いと沸点は?
A. 上がる。
Q34. 第4類の分類(並べて言えるように)
A. 特殊引火物/第1石油類/アルコール類/第2石油類/第3石油類/第4石油類/動植物油類。
Q35. 第4類の共通性質①(比重)
A. 比重1未満が多く水に浮きやすい。
Q36. 第4類の共通性質②(静電気)
A. 電気の不良導体が多く、静電気がたまりやすい。
Q37. 第4類の共通性質③(蒸気比重)
A. 蒸気比重1より大が多く、蒸気は低所にたまりやすい。
Q38. 第4類の火災予防:火気以外で狙われるポイントは?
A. 静電気除去、密栓、防爆構造、(蒸気は)低所の蒸気を集めて屋外の高所へ排出。
Q39. 「可燃性蒸気の排出」で“低所”が大事な理由は?
A. 蒸気が空気より重く低所に滞留しやすいから。
Q40. 第4類の消火の基本は?
A. 窒息消火(酸素を遮る)。
Q41. 第4類で代表的に使う消火剤は?(安全な覚え方)
A. 泡・粉末・二酸化炭素(CO₂)(+ハロゲン化物は知識として)。
Q42. 「比重1未満が多い」→消火で何に注意?
A. 水で消火しない(浮いて広がりやすく延焼しやすい)。
Q43. 水溶性の第4類に使う泡は?
A. 耐アルコール泡/水溶性液体用泡。
Q44. “強化液”は第4類で万能に使える?
A. 万能ではない。水系なので油火災(B火災)に「いつでもOK」とは限らず、タイプ・条件(放射方法など)で適応が変わる前提で覚える。
(試験では「代表例に入っていても、運用は条件付き」と理解しておくと安全)

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