法令:製造所等(設置・変更)/危険物取扱者(免状・講習)
製造所等とは
- 製造所等= 製造所・貯蔵所・取扱所 をまとめた呼び方。
設置・変更の許可(誰に許可をもらう?)
ポイントは 「消防本部・消防署がある市町村かどうか」。
- 消防本部・消防署がある市町村に設置 → 市町村長
- 消防本部・消防署がない市町村に設置 → 都道府県知事
移送取扱所(パイプライン施設)は特に注意
配管やポンプで危険物を移送する、長く伸びる施設なので、またがる範囲で許可者が変わる。
- 消防本部・消防署がある市町村内だけ → 市町村長
- 2つ以上の市町村にまたがる → 都道府県知事
- 2つ以上の都道府県にまたがる → 総務大臣
工事~使用開始までの流れ(頻出イメージ)
- 許可を得る
- 工事開始
- 工事完了後:完成検査に合格
- 完成検査済証の交付
- 使用開始OK
※さらに重要
- 指定数量以上の液体危険物タンクがある製造所等は、
工事完了前に 完成検査前検査 が必要(完成してからだと見えない部分が検査できないため)。
仮使用とは(ここ引っかけやすい)
- 仮使用=工事中に、工事に関わらない部分だけ先に使用すること。
- 市町村長等の「承認」が必要。
※「許可」じゃなくて 承認 なので注意。
危険物取扱者(甲・乙・丙の違い)
できること(共通)
- 危険物の取扱い
- 取扱いの立会い
- 危険物保安監督者の業務
※ただし、免状の種類で範囲が変わる。
甲種
- 全ての危険物で
取扱い・立会い・保安監督者 すべてOK
乙種
- 免状に記載された「類」のみ
取扱い・立会い・保安監督者 OK(その類の範囲で)
丙種
- 第4類の指定された危険物のみ「取扱い」OK
- 立会い不可
- 危険物保安監督者になれない
免状の交付者
- 試験合格 → 免状交付者は 都道府県知事
記載事項の変更(書換えが必要)
- 氏名が変わった
- 写真が撮影から10年経過
- 申請先:居住地または勤務地を管轄する都道府県知事
再交付(なくした/汚した/破れた)
- 亡失・滅失・破損 → 再交付申請OK
- 申請先:交付または書換えをした都道府県知事
- 再交付後に元の免状が見つかった → 再交付した都道府県知事へ返納
保安講習(受ける周期)
取扱い作業に従事した日から 1年以内に受講
その後は 受講した日以後の最初の4月1日から3年以内に受講
従事してから 2年以内に免状交付 or 講習受講している場合:交付日 or 受講日から3年以内に受講
物理・化学:密度/比重/蒸気比重/熱(比熱・熱容量)
密度
- 密度=単位体積あたりの重さ
- 単位体積の例:1cm × 1cm × 1cm=1㎤(1cc)
- 単位:g/cm³
- 水:1 g/cm³
- 鉄:7.9 g/cm³(同じ体積なら鉄の方が重い)
比重
- 比重=(物質の密度)÷(水の密度)
- 水の密度が1なので、比重は密度と同じ数値になりやすい
- 単位なし
- 比重>1 → 水に沈む/比重<1 → 水に浮く
- 乙4の危険物は 比重1未満が多い(=水に浮く)ことが多いので注意。
蒸気比重(気体)
- 蒸気比重=(気体の密度)÷(同体積の空気の密度)
- 蒸気比重>1 → 空気より重く、低所にたまりやすい
- 乙4で扱う蒸気は 1より大きいものが多い
※液体の比重(1未満が多い)と逆になりやすいのでひっかけ注意。
熱の3点セット(熱量/比熱/熱容量)
- 熱量(J):与えた熱の大きさ(単位:ジュール)
- 比熱:1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量
- 水の比熱:約4.2 J/(g·℃)(水は温度変化しにくい)
- 熱容量:物質全体の温度を1℃上げるのに必要な熱量
- 熱容量=比熱×質量
- 覚え方:
比熱=1g基準/熱容量=全体基準
危険物の性質:特殊引火物(非水溶性)
特殊引火物の定義(超頻出)
- 発火点が100℃以下のもの
または
- 引火点が-20℃以下で、かつ沸点が40℃以下のもの
→ 引火しやすく、危険性が非常に高い。
代表例
- 非水溶性:ジエチルエーテル、二硫化炭素
- 水溶性:アセトアルデヒド、酸化プロピレン
ジエチルエーテル(非水溶性)
- 引火点:-45℃(第4類で最も低い)
- 沸点:35℃(揮発しやすい)
- 発火点:160℃(低め)
- 爆発範囲:広い(例:1.9~36%)
- 性状:無色、甘い刺激臭、蒸気に麻酔性
- 水にほとんど溶けない/有機溶剤に溶けやすい
二硫化炭素(非水溶性)
- 引火点:-30℃
- 沸点:46℃
- 発火点:90℃(第4類で最も低い/100℃以下はこれだけ)←超重要
- 爆発範囲:広い(例:1.3~50 vol%)
- 性状:無色、特有の不快臭、毒性あり
- 酸化すると 二酸化硫黄が発生しうる
- 比重:1.26(水より重い)(第4類で最大級)
二硫化炭素の貯蔵(理由までセットで覚える)
- 水没貯蔵(水の中で貯蔵)
- 理由:
- 比重が大きく水に沈む
- 非水溶性で水に溶けない
- 水中に置くことで 蒸気が出にくく、発火防止につながる
今日のまとめ
- 設置・変更の許可者:原則 消防署あり→市町村長/なし→知事
- 移送取扱所は範囲で変化:市町村→知事→総務大臣
- 工事後は 完成検査→検査済証→使用開始
- 仮使用=承認(許可じゃない)
- 取扱者:甲=全部OK/乙=指定類OK/丙=第4類の一部「取扱いのみ」
- 比重(液体)と蒸気比重(気体)は逆パターンに注意
- 特殊引火物の定義(発火100以下・引火-20以下・沸点40以下)
- 二硫化炭素:発火点90℃(唯一100℃以下)+水没貯蔵
Q&A
Q1. 製造所等とは?
A. 製造所・貯蔵所・取扱所の総称。
Q2. 製造所等の設置・変更の許可者は何で決まる?
A. 設置先市町村に「消防本部(消防署)」があるかどうか。
Q3. 消防本部等がある市町村に設置するときの許可者は?
A. 市町村長。
Q4. 消防本部等がない市町村に設置するときの許可者は?
A. 都道府県知事。
Q5. 移送取扱所(パイプライン施設)で許可者が変わる基準は?
A. またがる範囲(市町村内/複数市町村/複数都道府県)。
Q6. 移送取扱所:市町村内のみの許可者は?
A. 市町村長。
Q7. 移送取扱所:2つ以上の市町村にまたがる場合の許可者は?
A. 都道府県知事。
Q8. 移送取扱所:2つ以上の都道府県にまたがる場合の許可者は?
A. 総務大臣。
Q9. 工事〜使用開始の基本フローは?
A. 許可 → 工事 → 完成検査合格 → 完成検査済証 → 使用開始。
Q10. 完成検査前検査とは?(目的)
A. 完成検査の前に、完成後は確認しにくい工程の重要部分を工程ごとに確認する検査。
Q11. 完成検査前検査が典型的に関係する設備は?
A. 液体危険物タンクの設置・変更工事(例:水張・水圧などの工程検査)。
Q12. 仮使用とは?
A. 工事中に、工事に関係ない部分だけを先に使用すること。
Q13. 仮使用に必要なのは「許可」or「承認」?
A. 承認。
Q14. 甲種でできる範囲は?
A. 全類の取扱い・立会いができ、危険物保安監督者になれる。
Q15. 乙種でできる範囲は?
A. 免状に記載された類のみ取扱い・立会いができ、危険物保安監督者になれる(記載類に限る)。
Q16. 丙種でできる範囲は?
A. 第4類のうち指定された危険物の取扱いのみ(立会い不可、危険物保安監督者不可)。
Q17. 免状の交付者は?
A. 都道府県知事。
Q18. 書換えが必要な典型例は?
A. 氏名変更、写真が撮影から10年経過したとき。
Q19. 再交付できる理由は?
A. 亡失・滅失・破損・汚損。
Q20. 再交付後に元の免状が見つかったら?
A. 再交付を受けた都道府県知事に返納する。
Q21. 保安講習:新たに従事したらいつまでに受講?
A. 従事した日から1年以内。
Q22. 保安講習:継続従事者の周期は?(覚え方)
A. 原則「3年ごと」。※厳密には、受講日(または交付日)後の最初の4月1日を起点に3年以内。
Q23. 例外(従事日前2年以内に免状交付 or 講習受講)だとどうなる?
A. 従事から1年ではなく、交付日または受講日後の最初の4月1日を起点に3年以内。
Q24. 密度とは?
A. 単位体積あたりの質量。
Q25. 比重とは?
A. (物質の密度)÷(水の密度)。単位なし。
Q26. 比重が1より大きい/小さいと?
A. >1:水に沈む <1:水に浮く。
Q27. 蒸気比重とは?
A. (気体の密度)÷(同体積の空気の密度)。
Q28. 蒸気比重>1の意味は?
A. 空気より重く、低所に滞留しやすい。
Q29. 比熱とは?
A. 1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量。
Q30. 熱容量とは?式は?
A. 物質全体を1℃上げる熱量。熱容量=比熱×質量。
性質:特殊引火物(第4類)
Q31. 特殊引火物の正しい定義は?
A. 「発火点が100℃以下」または「引火点が-20℃以下で、かつ沸点が40℃以下」。
Q32. 特殊引火物の代表例は?
A. ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレン。
物質別:ジエチルエーテル
Q33. ジエチルエーテルの引火点/沸点/発火点は?
A. 引火点 -45℃、沸点 約35℃、発火点 約160℃。
Q34. ジエチルエーテルの頻出ポイントは?
A. 揮発しやすく可燃性蒸気を生じやすい(爆発範囲が広い)。
Q35. 二硫化炭素の引火点/沸点/発火点は?
A. 引火点 -30℃、沸点 約46℃、発火点 約90℃。
Q36. 二硫化炭素の超重要ポイントは?
A. 第4類の中でも発火点が特に低く、着火しやすい。
Q37. 二硫化炭素の爆発範囲(代表値)は?
A. 下限 約1.3 vol%/上限 約50 vol%。
Q38. 二硫化炭素の比重は?
A. 約1.26(>1で水より重い)。
Q39. 二硫化炭素が水没貯蔵なのはなぜ?
A. 比重>1で沈み、非水溶性で水に溶けにくい→蒸気発生を抑えて引火・発火リスクを下げる。


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